平成17(行ケ)10679 審決取消 意匠権 行政訴訟
平成18年03月31日 知的財産高等裁判所
以前書いた
拡大により視認可能になった意匠が保護される理由を法目的の観点から説明してくださいの補足事項となる。
ところで,意匠法の目的は,意匠の保護及び利用を図ることにより,意
匠の創作を奨励し,もって産業の発達に寄与することにある(同法1条)。
この目的にかんがみると,微小な物品であっても,工業的に同一の形状等
を備えた物品として設計し,製作することが可能な場合には,その意匠に
つき保護を与えるべきものであり,殊に,微小な物品についての成形技術,
加工技術が発達し,精巧な物品が製作され,取引されているという現代社
会の実情に照らすと,意匠法による保護を及ぼす必要性は高いということ
ができる。
他方,意匠に係る物品の形状等が,当該物品が取引される通常の状態に
おいて,視覚によって認識され得ないときは,意匠を利用するものとはい
い難いから,意匠法の上記目的に照らし,同法の保護は及ばないと考えら
れる。
今初めて知ったでござる。
■追記
しかし,意匠審査基準は,意匠登録要件の審査に当たる審査官にとって
基本的な考え方を示すものであり,出願人にとっては出願管理等の指標と
しても広く利用されているものではあるとしても,飽くまでも意匠登録出
願が意匠法の規定する意匠登録要件に適合しているか否かの特許庁の判断
の公平性,合理性を担保するのに資する目的で作成された判断基準であっ
て,行政手続法5条にいう「審査基準」として定められたものではない
(意匠法68条6項,特許法195条の3により,行政手続法5条の規定
は適用除外とされている。) 。すなわち,意匠審査基準は法規範そのもの
ではないから,審決が意匠審査基準に従ったものであるかどうかは,審決
の適法性と直接の関係はないものであって,審決の上記判断を是認するこ
とができるかどうかは,審査基準に基づく運用の実情も踏まえ,飽くまで
も意匠法3条1項柱書き,2条1項の規定に基づいて判断すべきものであ
る。
へー。
準用と書いていないところにもへー。
■参考文献
略称・・・リンク
特・・・
特許法
実・・・
実用新案法
意・・・
意匠法
商・・・
商標法
青本・・・
工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第18版〕
特許審査基準・・・
特許・実用新案審査基準
意匠審査基準・・・
意匠審査基準
商標審査基準・・・
商標審査基準
審判便覧・・・
審判便覧
民訴・・・
民事訴訟法
行訴・・・
行政事件訴訟法
■その他リンク
弁理士試験ストリート