問題Ⅱ3も面白そうだったので適当に解いてみた。なんかうまい表現が出てこなくて苦しんだが、めんどくさかったので適当に書いた。
ものすごくおおざっぱに解説すると、感覚的には、以下の事項が重要だと思う。
(1)商標が同一ではないので、それを指摘すること。(商標権の譲渡の対応を書くため)
(2)商標が類似か否かわからないので、場合分けすること。
審査基準にわかりやすい類否判断基準でもない限り(未確認)、多分類否判断までは不要だが、しょうざん事件の判断基準くらいは書いておくとよさげ。
(3)商標権の譲渡によって拒絶理由が解消すること。
なお、丙が団体甲に加入しても、丙の商標権は丙が所持したままとなり、甲には帰属しないので、拒絶理由は解消しない。
問題Ⅱ
3について
(1)指定役務「牛丼の提供」について
(a)拒絶理由について
指定商品又は指定役務が同一又は類似かつ商標が同一または類似である他人の先願登録商標がある場合、その商標について商標登録を受けることができない(4条1項11号)。
本問においては、指定役務「牛丼の提供」とする甲の地域団体商標は、他人丙の先願登録商標イと指定商品が同一である。
登録商標イは、文字商標ではないため、甲の地域団体商標とは同一ではない(7条の2第1項各号)。しかし、外観、称呼、観念を基準として総合的に観察して需要者の間に混同を生じうると認められる場合には、両商標は類似する。
本問においては、登録商標イはABC牛丼とのゴシック体の文字と図形からなるのに対し、甲の商標は文字商標であるから外観が相違する。しかし、文字自体は共通であるので、称呼、観念において同一と認められる余地はある。これらを総合的に観察して両商標が類似すると認められる場合、指定役務「牛丼の提供」とする甲の地域団体商標は、以下の対応(b)をしなければ商標登録を受けることができない。
両商標が非類似である場合、登録商標イが拒絶の根拠とならないので、甲の地域団体商標は出願後、特段の対応をせずに、商標登録を受けることができる。
(b)対応
甲は、丙から商標権の譲渡を受けるとの対応を取ることにより、4条1項11号の拒絶理由を解消することができる。
(2)指定商品「牛丼」について
役務「牛丼の提供」と商品「牛丼」は非類似であるので、指定商品「牛丼」とする甲の地域団体商標について、登録商標イが拒絶の根拠とはならない。従って、指定商品「牛丼」とする甲の地域団体商標は商標登録を受けることができる。