今まで、何回かに分けて、弁理士試験の勉強方法を記載してきた。
これは、なんだかんだ言って、かなり多くの時間を費やしてきた今までの思考をまとめ上げるためである。
今回は、その総まとめとして、
法律学の基礎技法をもとに、入門から受験までの勉強方法を論じてみたいと思う。
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法律学の基礎技法 pp34-35より引用
ところで、法律を学ぼうとする場合、法律の条文を理解することが基本となるが、いきなり条文を読んでもなかなか理解できるものではない。
これに対しては、最初に、入門書で、アウトラインをつかみ、基礎的なところを頭に入れておき、その上で、定評ある基本書などを用いて勉強するといったことが考えられよう。ただし、その場合に、条文から離れてただ基本書を読めばよいというものではなく、あくまでも条文を参照しつつ読み進んでいく必要がある。また、基本書で学習する場合には、それぞれの法分野における基本概念や原則を理解しておく必要があるが、それらについては、基本書では当然の前提として用いられているようなこともあり、そのようなときには、法律辞典などを使って、その意味を理解しながら読み進むことが大事である。
そして、これらによりある程度基礎的なところが理解できるようになったら、自分の頭で考えるようにしたり、具体的な事例に即して考えてみるようにすることが必要となる。その場合に重要となってくるのが判例である。判例は、具体的な法的紛争を解決するための方と法的な思考を示したものであり、生きた教材といえる。それを通じて学ぶのがケースメソッドの方式であり、これによって知識が実践的なものとなり、応用力が身につくことにもなってくるのである。
さらに、この段階ともなれば、法律の条文の内容を正確に理解するとともに、条文に即して考えることも求められることになってくる。法文を離れた法律の勉強などあり得ず、条文を正確に読み、その意味を正しく理解することは、法律に携わろうとする者のイロハといえる。そのためにも、条文になれるようにし、条文をしっかりと読むことができる力を身に付けておく必要がある。
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法律の学び方が的確に記載されていると思う。
上記は、法学部生もしくはロースクール生を対象としたものであるが、弁理士試験受験生にも適用できる考え方であろう。
全体的な参考記事:
1年間の主要な教材 モチベーションの保ち方
上記でも触れられているが、まずは、入門書でアウトラインをつかむことが重要である。とはいっても、弁理士試験の科目は非常に幅が広く、そのアウトラインをつかむことさえ通常は困難なことである。
それではどうするか。俺の見解では、予備校等に通ってアウトラインをつかむ必要があるものと考えられる。どんな法律があるのか、それぞれの法律等はどのような性格を持っているのか、実際にどのような規定振りになっているのか、などなど、そのようなことを一通り学ぶのが重要であると考えられる。
参考記事:
受験機関評価
ある程度のことを抑えた後は、自力で勉強してくことが必要である。上記では、「定評のある基本書」と述べられているが、弁理士試験に限って言えば、青本と改正本で十分だろう。これらを用いて、条文の理解を深めていくことが重要となる。(逐条解説と改正本などで立法経緯を学んでおくことは、条文の解釈にも役に立つこととなる)
参考記事:
青本の読み方 苦手分野克服法
そして、そのくらいになったら、具体的な事案について自己の判断をしていくことが重要となってくる。この様な学習方法の一つは、上記で述べられている通り、判例を学ぶことである。そのほかにも、論文答練などを通じて、事例問題等を解くことは、一つの有力な手段となろう。
参考記事:
裁判例の読み方 知財重要判例リンク集 論文答練の利用方法
また、この程度になった場合には、「法律の条文の内容を正確に理解する~」必要がある。これには、やはり条文の暗記が重要であると考えられる。(なお、本書では、この後「法律は暗記科目でない」旨が述べられている)。
参考記事:
条文語クイズ 暗記がススム。ススムよ、ススム君。
■まとめ
本書で言っている内容には激しく同意できる。俺はいろいろ試行錯誤した。その結果、最終的には、本書で述べられているような学び方をするのが理想なのだろうと考えている。
■その他リンク
弁理士試験ストリート