出典元twitterのつぶやき
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甲は発明Aを行い、これについて刊行物を用いて発表した。その後、甲は発明Aの改良発明A'を行い、A'について特許権を取得したいと考えている。A'に係る特許出願の際に行うべき手続きについて条文に則して答えよ。
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■解答
1.特許出願(36条)
(1)すべき手続き
甲は、36条1項各号の事項を記載した願書を特許庁長官に提出すべきである(36条1項)。この場合に、甲は、併せて、明細書、特許請求の範囲、および必要な図面と要約書を願書に添付しなければならない(同条2項)。
なお、この出願は、後述する新規性喪失の例外の適用を受けるため、Aを刊行物に発表した後、6月以内にしなければならない(30条1項)。
(2)記載事項
明細書には、詳細な説明等を記載する(36条3項3号)。詳細な説明には、当業者が発明A'を実施できる程度の説明(同条4項1号)および、文献公知発明についての所在等(同項2号)を記載しなければならない。
特許請求の範囲には、発明A'を特定するために必要な事項を記載し(同条5項)、その他明細書サポート要件等の要件(同条6項各号)を満たすように記載しなければならない。
要約書には、経済産業省令で定めるところに従い、特許を受けようとする発明の要約を記載しなければならない(同条7項)。
2.新規性喪失の例外の適用申請(30条)
(1)すべき手続き
甲は、特許出願と同時に、新規性喪失を受けたい旨を記載した書面を特許庁長官に提出し、なおかつ、特許出願から30日以内に、発明A'に係る特許を受ける権利を有する者「甲」が、出願前6月以内に刊行物に発表したことにより、発明Aが刊行物公知発明(29条1項3号)に該当するに至ったことを証明する書面を特許庁長官に提出しなければならない(30条4項)。
(2)この手続きをとる理由
甲が特許出願前に刊行物に発明Aを発表したことにより、発明Aは刊行物公知(29条1項3号)となっている。何ら手当てをしない場合、この発明Aに基づき、特許出願前に当業者が容易に発明A'を発明できる場合には、発明A'に係る出願は29条2項の拒絶理由を有する(49条2号)。
そこで、新規性喪失の例外の適用を受けることにより、当該拒絶理由を解消する必要がある(30条1項)。
3.出願審査請求(48条の3)
(1)とるべき手続
甲は、特許出願の日から3年以内に出願審査の請求をすべきである(48条の3)。特許出願について実体審査(47条,48条の2)後に国家の行政処分たる特許処分(51条,66条1項)を受け特許権を取得するためである。
(2)記載事項
甲の氏名等を記載した請求書を特許庁長官に提出する(48条の4)。
以上
■備考
・条文はうろ覚えでさらっと見た程度なのでものすごい間違いがありそう。
・30条1項の「特許を受ける権利を有する者」は、発明A'の特許を受ける権利を有する者でいいのだろうか。
・「発明を行い」に違和感があるのだけど、普通の言葉なのか。
・「特許出願の際」、出願審査請求するのかという疑問があるが、漢なら同時に請求!!という事で書いた。 特許出願の手続きは、たぶん必要ではなかろうか。
■その他リンク
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